星☆を見つけた日   たかし氏の投稿



留学して一年半経った頃の話。
その学期は色々と上手く行かないことがたくさんあって
気持ちが滅入ってたときで更に悪いことは重なるものでプリンタが
故障したりテスト当日に自転車が盗まれたり。
それでも山のような授業の課題に毎日追われて夜遅くまで勉強
してたときにふとある有名な詩を思い出した。

「ふたりの囚人が鉄格子の中から外を眺めた。
  一人は泥を見た。一人は星を見た。」

フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』より、引用

これは昔好きだったジョジョの奇妙な冒険というマンガの
単行本の一巻に書いてあった詩でかっこいい詩なので心の
中にずっと残っていた。
でもなんで急にこの詩を今思い出したのかななんてことを
思いながらもその日はいつもと同じように終わってそのまま
ベッドで眠った。
次の日、目が覚めて今日中にあの課題を終わらせないといけない
なあなんてことをぼんやり思いながらそれでも中々ベッドから
出れずにボーッと真っ白な天井を眺めてた。
特に何を考えるわけでもなく、白い天井を眺めながら
何かを探すよう色々と視線を動かしていると星が天井に
あることに気が付いた。
もっと正確に言えば五角形の星の形をした小さなシールが天井
に貼ってあるのに気が付いた。
小さな星のシールの上から白いペンキが塗られていて天井と
同化していたのでよく目を凝らして眺めてみないとその輪郭が
分からない程度だったけど確かに星の形をしたシールが貼ってあった。
もうこの部屋に一年半もいたのに今までずっと気付かなかった
なあなんてことを思いながらその前の晩に思い出した詩の
内容と重なる部分があってその不思議な小さな偶然に
ちょっと感動した。
幸運にも星を見れた僕はその学期の成績はあまりよくなかった
けど最後の学期のためのいい研究テーマが見つかって最後の
学期はすごく充実した時間を過ごすことができた。
本当にあったちょっと不思議な話。

2003 11
弟から珍しく投稿がありました。これからもまたちょくちょくよろしく。






chelsea terraceのギタリスト(今はちょっとご無沙汰だけど 笑)
たかし氏は2001年の7月かた2003年の7月までの短い期間ですが
アメリカ カリフォルニア州の大学院にコンピュータープログラミングの勉強のため
社会人留学をしておりました。
今はまた会社で仕事をしております。

忙しい仕事の合間にコツコツと英語の勉強をして社内選抜の試験に合格して
晴れて留学したわけですが、もともと英語を話したり聞いたりすることが特別得意ではないので
アメリカでの学生生活はかなり大変だったようです。
でも貴重な体験と共に楽しんでもいたようです。

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